1/26(木)きばる生産者交流会inさわやかちば県民プラザ
1月26日木曜日、さわやかちば県民プラザにて、きばる生産者交流会が行われました。
熊本県から生産者27人の代表として、高橋さん、高倉さんが来て、お話をして下さいました。
きばるの前身「水俣病患者家庭果樹同士会」の意思を引き継いで、「被害者が加害者にならない」をスローガンに掲げ、皮まで安心して使えるように、できるだけ農薬に頼らない栽培に取り組んでおられます。
水俣だから安全なものを作って送り出そうという思いにあふれていました。
甘夏以外にも、しらぬい(商標登録名はデコポン)、スイートスプリング、グレープフルーツの栽培にも挑戦されています。
栽培をする上で、虫や鳥、イノシシ等からみかんを守るご苦労や、8月31日までの5成分回数以下と決められている農薬散布のみで、病気にならず、かつ見た目がキレイなものを作るため、いかに苦心されているかのお話をして下さいました。
高橋さんは、5年前から無農薬栽培をされています。
きばるの生産者さんは、平均3.3~3.4回の散布ということでした。
ちなみに慣行栽培基準では、年間22成分回数散布されています。
2年前から高橋さんのもとで学ばれている高倉さんが、無農薬無肥料による自然栽培を目指していきます。
と熱い思いを語って下さり、聴衆の胸も熱くなりました。
肥料による窒素過多を考慮し、密植から疎植にすることで、木の力を強くし、病気の発生率を下げることを試していきたいと、力強く話しておられました。
皮に傷があっても、中の身には全く影響はないそうです。
保存に差し障りが出る可能性があるくらいのものだそうですが、あまりにも見た目が悪いと、選果の前に、はじかれるとのことです。
熱い思いで育て上げた果実が、見た目が悪いだけではじかれるとは、一消費者として、申し訳ないという思いに駆られました。
消費者が見た目が良いもの、キレイなものを求めるから、はじかれるものが多く出て、農薬散布が増える一因になっているのでは?と考えたからです。
はじかれたものは、1/10の値段となってしまいます。
そして、マーマレードなどに加工されるそうです。
箱詰めの時には、見た目がキレイなものと傷や黒い点々などがあるものがバランスよく入るように配慮して下さっているそうです。
10㎏箱は、農家さん個人が箱詰めされるので、「私が作りました」という紙が入ります。2㎏箱、5㎏箱は、きばるの農家さんのを一緒に混ぜて、詰めて下さいます。
家庭での保存方法も教えてくださいました。
届いたら、すべて点検してみて下さい。ヘタが青いうちは大丈夫。
新聞紙にくるんで、涼しい所で保存して下さい。
1か月位は大丈夫です。冷蔵庫での保存も大丈夫ですが、中の身を守るために皮が乾燥するので、食べる前に50℃のお湯に5~10分浸けると、元に戻り、皮も剥きやすくなるそうですので、試してみて下さい。
ヘタが黄色から茶色のものは、あまり保存がきかないので、早く食べて下さいとのことです。
水俣市では、水俣病はもう終わったことではないそうです。
水俣では水俣病のことは、友達同士で気軽に話せるものではなく、タブーとなっていると話されていました。
後楽園6個分の広大な駐車場の下に、海から汲み上げた水銀が埋まっているとのこと。高倉さんが時々声を詰まらせながらも、私たちに伝えて下さったことを、私は忘れずにいようと思いました。
高倉さんがお兄さんと作詞し、友人に曲をつけてもらった「あまなつのうた」を生声で披露して下さり、CDを頂いたので、何かの企画で皆さんにもお届けできたらなと思っています。
とても前向きで、元気をもらえる曲でした。
まだまだ書ききれないことをたくさん聞いて参りました。
生産者さんの熱い思いを、組合員の皆さんにお伝えし、何よりも買い支えることで、きばるの皆さんにいつまでも、安心安全な甘夏を作り続けていただきたいと強く思った一日でした。
私たちの子供、孫、その後の世代まで、私はきばるの甘夏を食べてもらいたい。
講演後は、甘夏サラダ寿司、わかめたっぷりスープ、簡単しっとり甘夏ケーキを生産者のお二人を囲んで、皆で頂きました。
春の風を思わせる爽やかな甘夏を贅沢にたっぷりと使ったメニューに、皆さん口々に美味しい!とほっこり笑顔の花が咲いたような温かな空気に包まれ、和やかに会は終了しました。
高橋さん、高倉さん、遠い所をはるばるありがとうございました。
Sachiyo