ここからサイト内共通メニューです。

デポ活♪おおたかの森2ndカフェ第2弾~新生酪農(株)~inクイーンズフォレスト

4月13日木曜日、流山市おおたかの森地区のクイーンズフォレストの集会室に、生活クラブの牛乳の生産者である、新生酪農(株)の生産者をお招きしました。

 

新生酪農(株)の牛乳は、生活クラブ運動誕生原点の消費材です。1970年代前半に起こった石油パニックと牛乳の相次ぐ値上げを契機に、「自分たちの工場を持ちたい」「安全な牛乳を飲みたい」と願う生活クラブ生協組合員の意思を終結し、日本で初めて組合員と酪農家が直接提携し共同経営する牛乳工場を設立したことに始まります。

 

生産者のお話は、たんぱく質変性実験とCa変性実験(レンネット実験)をしながら進められていきます。生活クラブの牛乳の消費期限は製造日から6日です。製造日はパック詰め、瓶詰めされた日のことです。消費期限は、販売前のテストで10日間は大丈夫との結果を得られていますが、安全のため6日と設定しています。市販の牛乳の消費期限は約10日と長いものが多いです。

 

生産者の大川さんは、牛乳にとって、パックに詰めた日はあまり意味がないとおっしゃいました。重要なのは搾乳した日なのだそうです。新生酪農(株)は、工場の近くに契約している酪農家の方がいるので、搾乳した当日か、遅くても翌日には72℃で15秒間殺菌した牛乳が瓶に詰められます。多くの市販の物は、北海道の酪農家から生乳が運ばれます。タンクローリーに詰められて、船で運ばれるので、3~4日はかかります。そこから130℃などの高温で殺菌され、パック詰めされています。船で運ぶということを知り、驚きましたが、確かに大量の液体を飛行機では運べませんね。

 

新生酪農(株)は、生活クラブの組合員の意思で設立されている工場なので、乳牛の餌にも厳しい条件があります。遺伝子組み換えの飼料、ポストハーベストの飼料も認められていません。海外からの飼料は、輸送の船の中で、農薬がまかれてしまうため、農薬をまかれないように専用の船をチャーターしています。

 

さて、組合員の皆さん、牛乳の一括表示を見たことがありますか?一括表示の中に、殺菌条件が書かれています。生活クラブの場合は72℃15秒間と記載されています。他の食品には書かれていませんね。牛乳だけに表示義務があります。それは、牛乳に含まれている成分が熱にとても弱いからです。低温殺菌された牛乳をパスチャライズド牛乳と言いますが、世界では飲用の牛乳に関しては、パスチャライズド牛乳が標準だそうです。日本には、元々牛乳を飲む文化がありませんでした。日本に牛乳を飲む食文化が入ってきたのは、第二次世界大戦後の、国民の栄養失調状態を改善する目的からでした。当然現代のように、輸送技術が発達していたわけではないので、パスチャライズド牛乳では、日持ちがせず、消費者のもとに届いた時には、飲める状態ではなかったので、高温で殺菌することになったのが、そのまま根付いたそうです。どの生産者も牛乳のメーカーもパスチャライズド牛乳の方が優れているのは分かっているのですが、良質な生乳が手に入らない為、高温殺菌にならざるを得ないということでした。私たち組合員がパスチャライズド牛乳を当たり前のように飲むことができるのは、とてもありがたく、幸せなことだと思いました。先輩組合員さんと生産者の方、酪農家の方の熱い思いの詰まった牛乳です。大切に飲み続けていくことで、私たちの子孫にもこの素晴らしい牛乳を飲んでもらいたいですね。

 

牛乳に含まれている成分の中で特に熱に弱いのが、たんぱく質、ラクトフェリン、酵素です。高温で殺菌してしまうと、たんぱく質は含まれている形が変わってしまい、ラクトフェリン、酵素に至っては、なくなってしまうそうです。

 

実験では、生活クラブのパスチャライズド牛乳と市販の高温殺菌牛乳を使って、変化を見ました。

<たんぱく質変性実験>

 たんぱく質は、アミノ酸が数多くつながったもので、互いにからまりあって、立体的な構造を持っています。熱変性というのは、熱によってこの立体構造が壊れてしまうことをいいます。

 牛乳たんぱく質は、カゼインたんぱく質と、ホエーたんぱく質に大きく分けられます。カゼインは熱による変性を受けにくく、栄養価の高いたんぱく質で、体内で分解されると各種のペプチドに変わります。これらのペプチドは、カルシウムの吸収を促進したり、腸の蠕動運動を抑制する作用を持っています。ホエーは高蛋白・低脂肪で栄養価も高いですが、熱による変性を受けやすく80℃から変性が始まります。

 母乳を飲んだ赤ちゃんの胃の中で、母乳が固まりますが、この胃の中で固まるということが大事で、固まるときに脂肪やカルシウムを包み込み、栄養分を体中へ運んでくれます。牛乳も同様に、牛乳に含まれているたんぱく質の80%を占めるカゼインが胃の中に入ると、胃酸や酵素ペプシンによりヨーグルトのように固まります。そしてゆっくりと消化吸収されます。しかし、熱変性したたんぱく質では固まらないため、直接腸に流れてしまうのです。

 実験は、牛乳を硫酸アンモニウムで濾過し、残った液体を加熱し水溶性たんぱく質の熱変性を見ます。つまり、熱に弱いホエーたんぱく質が牛乳中に残っているかを確かめるものです。ホエーたんぱく質の成分のうち、βーラクトグロブリンは硫酸アンモニウムを加えても凝固しないという性質を利用しています。白く濁るほど、その牛乳に熱変性していないホエーたんぱく質が多く含まれていることになります。

 

        

  ↑ 牛乳に硫酸アンモニウムを加えたものを、濾過しているところ

 

 

 

        

  ↑  濾過された液体を加熱しているところ

      

 

        

↑  加熱後。左が生活クラブのパスチャライズド牛乳。右が市販の高温殺菌牛乳。左の方が白濁している。

 

 

<レンネット実験>

 牛乳のカルシウムは、イオン状態で溶けている状態のものとコロイド状になって粒のように混ざっている状態(肉眼では判別できない大きさです)のものが存在します。レンネット実験は、牛の胃の中にあるレンネットという酵素が、イオン状態のカルシウムに働きかけて、凝固する性質を利用した実験です。コロイド状になっているカルシウムは栄養素として体に吸収できません。イオン状態のカルシウムでないと吸収されないのです。生活クラブの牛乳は、レンネット実験でドロッとしましたが、高温殺菌された市販の物は、サラサラのまま変化が見られませんでした。高温殺菌された牛乳では、カルシウム補給できないということになりますね。凝固している状態が写真にうまく写らず、お見せできないのが残念です。

 

 

 実験終了後も大川さんのお話は続きます。

生活クラブの牛乳のキャップを見たことがありますか?消費期限を示す日付の下にアルファベットが刻印されています。これは、工場で15分ごとに刻印されているもので、それを辿っていくと、どこの牛の乳を搾ったかまで特定できるようになっているそうです。トレーサヴィリティもしっかりしていますので、安心して飲むことができますね。

 

昨今、牛乳は飲まないという人が増えて、牛乳の消費量は減っており、さらに廃業する酪農家が増えているのが現状だそうです。自然界にあるものが分泌しているものは、この世に2つしかありません。牛乳と蜂蜜です。先人たちは、それらが滋養に良いことや、栄養価が高いことを経験的に知っていたのです。牛乳を飲まない人でも、ケーキや、乳製品は口にするのではないでしょうか。牛がいることで、有機肥料もできます。第一次産業である酪農や農業を守らないと、日本の食料自給率は上がりません。日本はいろいろなものを輸入に頼っています。ですが、近年の異常気象で、不作や自然災害などがあったら・・・。自国の国民の食を優先するでしょう。誰も日本を助けてはくれないかもしれません。日本の食を守れるのは、日本に住む私たち消費者です。いくら高い志で良いものを作っても、買い支える消費者が居なければ、生産者は作り続けていくことができません。素性の確かなものを、適正価格で買い支えることは、私たち組合員ができることの一つです。よく、生活クラブの消費材は高いという声を耳にしますが、厳しい基準をクリアして生産されているものしか、扱っていません。その価値を考えると、私は決して高いとは思いません。私たちの体は、私たちの食べたものでできています。私達主婦の両肩に、家族の健康がかかっているのです。

 

 

 お話の後は、お待ちかねの新生酪農(株)の消費材の試飲・試食・食べ比べです。

・牛乳・低脂肪牛乳・ノンホモ牛乳・新生酪農の生乳で作ったバター

・プレーンヨーグルト・クリーミーバニラヨーグルト・フルーツヨーグルトブルーベリー

・バニラアイス・スーパープレミアムバニラアイス・チョコレートアイス・緑茶アイス・紅茶アイス

 

普段なかなか、これだけの種類のものを、食べることはできないので、皆さん、どれも美味しい美味しいと喜んでおられました。もちろん、私も大満足で、幸せなひと時を過ごしました。生活クラブの牛乳は、さらっとしていてとても飲みやすいです。新生酪農(株)の大川さんがおっしゃるには、これが本来の生乳の味わいなのだそうです。牧場に行って、搾りたての物を飲んだ方もいらっしゃるかと思いますが、さらっとしていたと思います。人間の母乳も同じです。ドロッと濃い乳は、人間の赤ちゃんも、子牛も飲みにくく、消化吸収できないのだそうです。なるほど~と、皆さんうなずいておられました。

 

生活クラブのアイスクリームは固くてすぐに溶けるといったご意見がございますが、それも、乳化剤や安定剤を使用しない、こだわりの製法だからだそうです。

 

我が家には、エスプレッソマシーンがあり、その機械にふわふわのミルクが出てくるものがついておりますが、パスチャライズド牛乳は使用不可となっている件について、質問しましたところ、機械が目詰まりするなどの理由からだと思いますが、エスプレッソやコーヒーには、牛乳ではなくて、バニラアイスを入れると、とても美味しいので試してみて下さいと教えていただきました。おススメは、スーパープレミアムバニラアイスだそうです。今週届いたカタログ(4月4回D週)に、スーパープレミアムバニラアイスが載っていたので、さっそく注文をしてみることにします。皆さんもよかったら、お試し下さいね。

 

新生酪農(株)の熱い思いを、組合員さんにお届けしたいという思いで、盛りだくさんの内容になってしまいましたが、最後まで読んで頂き、ありがとうございます。牛乳のよやくらぶは、センター柏にて、随時受付中です。登録がまだの方は、どうぞ前向きにご検討ください。私たちの、食べ支えますよという意思表示で、生産者の方は安心して作り続けることができるのです。

 

                                  Sachiyo

生活クラブをはじめませんか?

40万人が選ぶ安心食材の宅配生協です

本文ここまで。
ここから共通フッターメニューです。
共通フッターメニューここまで。