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2018年きばる生産者交流会inこだち

 今年もきばるの季節がやってきました。まだまだ寒いですが、春はもうすぐですね!!

 

 2018年1月16日㈫デポーおおたかの森の「こだち」にて、きばる生産者交流会を開催しました。芦北地区より緒方さんが来て下さいました。

 

               

(きばるの生産者、緒方さんと当日司会を務めた運営委員の松縄さん)

 

 「きばる」とは、「頑張る。ふんばる」の意味で、熊本県の南端に位置する芦北・水俣・御所浦島で、甘夏を中心とした柑橘類の減農薬・有機栽培に取り組む生産者の会の名称です。きばるの前身を「水俣病患者家庭果樹同士会」と言います。1977年、水俣病の被害により海から陸へ上がることを余儀なくされた漁師さんたちと、水俣病被害者の支援に駆け付けた人々との共同作業によって結成されました。きばるは、同士会の意思を引き継いで「被害者が加害者にならない」というスローガンを掲げ、できるだけ農薬に頼らず、皮まで安心して使えるような柑橘づくりを目指しています。生活クラブとは、41年のお付き合いになります。生産者の平均年齢は62歳だそうです。

 

 きばるの生産者が甘夏等を育てている場所は、海岸から500メートル以内で、海が近いため寒い日でも霜がおりず、積雪もなく、2月まで樹上で完熟させることができる超A地区に認定されています。ちなみにA地区、B地区とあります。

 

 水俣市は鹿児島県との県境に位置します。温州みかんが主流の頃に、甘夏は高値で売れましたが、農協で扱うものは、市場で高く売れるものを求め、見た目が一番大事であったため、減農薬で見た目が悪くなると加工用(価格は1/7になってしまいます)にしかなりませんでした。熊本生協から、生活クラブを紹介されたことがきっかけで、以来41年のお付き合いとなります。水俣病の影響で、公害発生後は、水俣とつくと何も売れなかったそうですが、今では柑橘類に並んで、サラダ玉ねぎ(サラ玉ちゃん)やお茶が特産品となっています。多い時では4万人いた住民ですが、今は2万人ほどだそうです。

 

 百間排水口(チッソ水俣工場が水俣湾に工場の排水をながしていた排水口)のあった、海域は埋め立てられ、安全宣言が出されています。水俣病を経験したことで環境に優しい町となり、ごみの分別は20種類にも及び、1つでも違う種類の物が混じっていると回収されません。難しくてなかなか上手く分別できない人が居ると、分かるまで何度でも教え合って、住民全員がきちんと分別できるようになるそうです。

 

 甘夏は1932年に大分県で夏みかんの枝代わりとして偶然発見されました。人が掛け合わせたものではありません。その枝をカラタチに接ぎ木して増やしたものです。きばるで栽培しているものは、

・甘夏:捨てるのはヘタだけ。皮まで丸ごと使えます。

・しらぬい(商標名はデコポン):ポンカンと清美の掛け合わせで生まれました。香りと甘味が強く、食べやすいです。デコポンはJAの選果機を通して糖度・酸度の基準を満たしたものに付けられる商標名です。

・スイートスプリング:上田温州と八朔の掛け合わせで生まれました。果皮が緑色のうちから食べられます。酸味が少なく水分が多いため、爽やかな味わいを楽しめます。

・グレープフルーツ:輸入物が大半で、貴重な国産品。晩柑類では難しいヘタ落ち防止剤不使用での栽培を試みています。ルビーを作りたかったそうですが、ヘタ落ち防止剤を使わないと、すべて落ちるため、きばるでは一般的なホワイト種を栽培されています。収穫量が少ないため、生活クラブではeクラブのみでの取り扱いとなります。

 

 きばるでは、栽培に関する取り決めがあります。

・化学合成農薬については会で取り決めたもののみ、使用を認めています。また散布は5成分回数までを限度として、9月1日以降収穫が終了までは原則として認めません。

・代替資材としてえひめAI、玄米酢、木酢、せっけん水の使用を認めています。またしらぬいは果皮強化のために、収穫前ににがり(海水)を散布します。

・肥料はきばるが指定して肥料会社に配合を頼んでいる有機100%肥料を、また液肥として一部生産者が海藻自慢、万田31号を使用しています。堆肥については牛糞を土壌改良のために使用します。

・防腐剤、ヘタ落ち防止剤、ワックス、除草剤は使用しません。

 

 慣行栽培基準では年間22成分回数散布していますので、きばるの生産者の方々がどれほどの努力をされてきたかが分かるかと思います。強い農薬を使えば、収穫後3か月もヘタが青々としていたり、シワシワにならなかったり、甘夏の天敵の一つゴマダラカミキリムシを殺してくれたりするのです。化学肥料を使えば、大きな果樹になるのは分かっているのです。しかし、きばるはそれらを使わずに、人体や環境に影響の少ないものを選んで使っています。私たちが皮まで安心して使える甘夏を食べることができるのは、本当にありがたいことだと感じずにはいられません。

 

 甘夏の天敵はいくつかありますが、鳥、カイガラムシ、ゴマダラカミキリムシ、イノシシなどがあげられます。肥料を外に置いておくと、イノシシが肥料を食べにくるそうですよ。黒砂糖や焼酎なども肥料として使われるので、確かに美味しそうな肥料ですね(笑)。花の蜜を吸いに来たミツバチの足跡が、できたばかりの小さな小さな果皮についてしまうこともあります。でこぼことした果皮になるので、市場では2級品とされてしまいます。黒点病の発生が多い年などがありますので、出荷前に「目合わせ会」を開き、どこまでの規格にするかを、生産者皆で話し合って決めます。10㎏箱の中には、30個くらいの甘夏が入るそうですが、その内3~4個は傷のついたものが入っていますが、中身は何ともありません。

 

             

          (ぼこぼこして、傷のある果皮)

 

           

 

             

                (流れ黒点)

 

 甘夏の保存方法についてですが、大きいものは樹の上の方になっています。甘い分腐りやすいので、大きいものから食べて下さい。黒点のついているものは樹の下の方になっていたものが多いです。酸が多い分腐りにくいです。室温保存はおススメできません。新聞紙にくるんで、風通しの良い涼しい場所で保存するか、冷蔵庫の野菜室で保存します。ヘタが黒っぽくなっているものから食べて下さい。皮はマーマレードや自分好みのゼリーに入れたり、天日に干して入浴剤などに使えます。

 

緒方さんのお話の後は、皆で甘夏ランチです。

 

         

 

・甘夏の果汁と果肉入りお寿司。シラスと玉ねぎ入りです。

・甘夏果汁入り白菜のさっぱり漬け

・わかめスープ

・甘夏の果汁入りホットケーキミックスで作った蒸しパン

 

         

 

 きばるの甘夏はカタログでも、デポー店頭(申し込み用紙に記入してフロアに提出してくださいね)でもご利用いただけます。貴重な減農薬の甘夏を是非ご家庭でも味わってみて下さいね。きばるの貴重な甘夏について知った私たちが、知らない組合員さんに伝え、買い支えましょう。甘夏の良い香りで春が一足先に来たような気分を味わえます。

 

            Sachiyo

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